リアルティグループ 代表 山下智弘
リアルティ株式会社
あんしん住宅ネット株式会社
Q.不動産業界でのコロナ禍の影響についていかがですか?
不動産業界はコロナの影響は全くないですね。むしろ上振れしています。特に購入者全体の80%を占める会社員の方が購入されるケースが増えています。その理由は二つあります。一つは、在宅勤務が増えて皆さんが自宅にいらっしゃる時間が増えて、家族みんなが自宅にいるので、もっと大きな家が欲しいということで購入されるケース。もう一つは、こちらも在宅勤務の方が増えたことに関連していますが、在宅勤務になったことで残業時間が減り、残業手当分の収入が減ることを見越して、早めに買ってしまおうという方もいらっしゃいます。
Q.コロナにより営業手法が変わったといったことはありますか。
特にありませんが、お客様のご要望があれば、リモートでお客様と打ち合わせすることがあります。ただ、あまり多くはありません。当社では数千万円単位のものを扱っていることもあり、お客様も絶対失敗をしたくないと考えておられます。そのため、多くのお客様がリモートよりも、より信頼性が築ける対面を選ばれます。会社に来ていただいて対面で打ち合わせすることが多いですね。ただし、会社では飲み会禁止、ランチ禁止など、コロナ感染防止対策はしっかりと取っています。
Q.オフィスの増床について
当社は創業当初から毎年増床しています。ここ1年で新卒・中途合わせ社員が増えて、現在は50名体制になりました。来年は20名程度増員し、70名体制を目指しています。そして創業10周年となる2年後には100名体制を目指しています。このように社員が増えてくると、通常は支店を出店される会社が多いと思いますが、当社は10周年まではこの横浜本社の1拠点でやりたいと考えています。ここでしっかりとリアルティイズムを構築し、11年目以降に支店展開をしていく考えです。1年に1支店のペースで、まずは神奈川県内を中心に展開し、その後、西東京、さいたま市、千葉、静岡、名古屋、福岡へと拠点を拡大していきたいですね。
Q.支店の規模はどのぐらいになる見込みですか。
不動産会社の96%は社員9名以下と言われています。また、大手不動産にしても一店舗の人数は5、6名というのが平均的です。それに対して当社では、1拠点当たり、売買営業と仲介営業で20名、物件の仕入れ担当が10名、総務なども入れると、30~40名規模にする計画です。それぐらいの規模の支店の売上は年間50億から55億になり、中小規模の企業に匹敵します。支店長は自分で出資することなく、会社を一つ任されて経営しているようなものですから、非常に魅力的だと思います。
Q.営業ではどんな方が活躍していますか。
前向き、明るい、調子いい、マメ、せっかち、夢が大きい人ですかね。
現在は新卒で入った22、23歳から上は54歳までが活躍しています。20代から30代前半までが多いですね。女性もいます。28歳でマネージャーになった社員がいますが、その社員は明るくて前向きです。そして人から嫌われない、人をいじめないですね。
Q.2022年4月に新卒で入社した方は活躍されていますか。
立ち居振る舞い、言葉づかい、身だしなみなど、ガラッと変わってすっかり社会人になりましたね。既に成果を上げている人もいます。昨年から新卒で入社する方を、インターンシップ(アルバイト)として働いてもらう試みをスタートさせています。そのため、成長も早いですね。
Q.新入社員の指導員役の社員さんはいらっしゃるのですか。
人事担当もいますし、メンター制度を取り入れており、定期的に面談をしています。新入社員の指導も大切ですが、それ以上に現場マネージャーに対するマネージメントの指導が重要だと考えています。そして、外部のコンサルタントを入れて、マネージメント研修を行っています。現在、マネージャーは8名いて、それぞれ4名~6名のチームを率いています。年齢は一番若い人が28歳です。
Q.マネージャーの教育が大事になってくると?
重要ですね。新卒入社の社員には早くチームリーダー、マネージャーになって欲しいですね。当社は年功序列ではなく、実力で昇進・昇格するようにしています。今はまだいませんが、新卒上がりの役員をつくりたいですね。そのためにも社員数の増加を図りたいと考えています。それにより、スケールメリット、相乗効果が出てくると思うのです。人間というのは一人では弱いモノです。同期のみんなが頑張っているから自分も頑張らなければ…、後輩たちがそんなことをやってきたなら、自分たち先輩もやらなければ…、というように、競い合う人がいることで元気や力がもらえます。私がかつて在籍していた会社(大手不動産会社)では、そういった社員同士が刺激しあって相乗効果を生み出す環境を与えてもらい、勉強させてもらいました。当社も社員数を増やして、そういった環境をつくりたいですね。経営の方法としては、必要最低限の人数で、経費もできるだけ抑えてこじんまり経営する方法もあります。それはそれで安心・安全です。しかし私は、規模を拡大するやり方を選びました。今41歳ですが、あと34年、75歳まで現役でやるつもりです。
Q.会社の売上は好調に推移していますか。
設立以来、増収増益を続けています。今期については、最高売上・最高益が出ました。当社は不動産売買の仲介業から、新築戸建の分譲用地仕入れ、集合住宅の再生事業、仕入れ、設計、施工まで不動産の360度ビジネスを行っていますが、中でも中古住宅の再生事業が絶好調です。日本は未だに新築住宅の取り扱いが70%を占めています。それに対してアメリカやイギリスは、中古住宅が70%を占めています。なぜ日本で新築住宅の取引が多いか。一般にマンションを買うのであれば、マンションディベロッパーのモデルルームに、また住宅を買うのであれば、町の不動産会社や大手不動産といった会社に行きますよね。それらの会社は手数料商売をしているので、中古物件をすすめるよりも、新築一戸建てをすすめる方が利益を得られます。お客様からも作り手からも手数料をもらえるからです。そして資源が少ないのにもかかわらず、せっかくつくった家やマンションをすぐ壊す。それっておかしいよねということで、当社は中古住宅の流通にも力を入れて取り組んでいます
Q.御社で設計職として活躍する魅力は。
一つひとつ違う物件をデザイン・設計しますから面白いですよ。ハウスメーカーに行ったらほとんど同じモノの設計ですが、当社の中古再販の物件の設計は一つとして同じモノはありません。毎回、私も含めてお客様と打ち合わせをして、残すところは残す、変える部分は変えるという風にリニューアルしていきますから、全てがオンリーワン、一点ものです。そして設計した物件にお客さんが住んで喜んでいただけます。建売住宅やハウスメーカーの設計よりもはるかにスキルが必要ですが、それだけに面白いと思います。もちろん、しっかりと育てますから、学生時代から高いスキルがある必要はありません。
Q.どこに魅力を感じて御社に入社されたと思われますか。
たぶん私でしょう(笑)。
会社の規模や事業内容、雰囲気など、いろいろと検討する際の要素はあると思いますが、それ以上にその会社の代表者がちゃんと出てきて、会社をどうしたいかをしっかりと伝えることが重要だと考えています。